飲食店などの、いわゆる、
2毛作形式のスタイル(昼と夜で異なる業態)
のビジネスについて知りたい。
こんなテーマに関する記事です。
2毛作形式のスタイルの店舗に関する考察や、お店の事例などについてわかりやすく説明しています。
2毛作とは、本来は、
同じ耕作地で、1年のうち、時期をわけて2つの異なる農作物を収穫する
ことを意味します。
これが転じて、
同じお店で、時間帯などをわけて、異なる2つの業態を運営する
というスタイルを、「2毛作」と呼んでいます。
2毛作型店舗の歴史を見ると、一番最初は、プロントというサントリーとUCC上島珈琲が共同出資のお店が、
昼間は、コーヒー
夜は、アルコール
というスタイルのお店をチェーン展開したことで、夜と昼の異なる業態のお店が認知されました。
私も、プロントができた際は、ちょっと生ビールを飲むのに気軽に利用できるので、仕事帰りにたまに利用していました。
昼と夜で業態を変えることで、
・メニュー構成
・客層
・単価
・リピーター
などの面で、プラスの相乗効果が期待できる面があります。
その反面、相性のよくない業態で2毛作をおこなってしまうと、
・食材ロス
・オペレーションの違いによる不効率化
・客層の違い
・お店の統一感の問題
など、結果的にデメリットのほうが大きくなってしまう可能性もあります。
下記に注意点と、2毛作のお店の事例について記載します。
2毛作の業態の注意点
それぞれの業態の相性
全く異なる業態を選択するのではなく、
・共通の食材
・共通するオペレーション
・近い客層
の業態で検討したほうが、リスクが少ないと言えます。
つまり、
・共通の食材を使うことで、食材ロスを少なくする
・比較的、店舗のオペレーションが共通する業態にすることで、スタッフの負担を少なくする
・昼と夜で、近い客層を対象にすることで、昼間に来られたお客さんに、夜も来店してもらう
ということが期待できる訳です。
2毛作目の業態の準備コストについて
2毛作目の業態を検討する際、
その為のコスト
がどれくらいかかるのかも、大きなポイントになってきます。
もちろん、コストは低くおさえたほうが良いので、
現状の設備である程度まかなえる範囲での業態
を考えると良いと言えます。
また、状況によっては、2毛作目の業態の結果がでない場合、更に別の業態にチャレンジする必要もでてくる可能性もある為、なるべく費用がおさえられる業態での検討が望ましいと言えます。
需要と利益率について
現在の
立地環境
に応じて、
そのローケーションで需要が見込めそうな業態かどうか
そのターゲット層に、どれくらいの価格帯の商品を提供できそうか
どれくらいの利益が見込めそうか
といった点を、数値を交えて検討する必要があります。
補足;ゴーストレストランについて
近年では、ゴーストレストランという方法も注目されています。
ゴーストレストランの場合は、注文は、ウーバーイーツ、出前館などを活用しますので、
厨房施設
だけで対応できてしまいます。
但し、ウーバーイーツ、出前館などのデリバリーサービスを利用する際には、
手数料が比較的、高い料率になっている
という点に注意が必要です。
デリバリーサービスの手数料に関しては、下記ページに記載しています。
また、ゴーストレストランのFCに加盟するという選択肢もあります。
その際には、ノウハウがしっかりしてるFC本部かどうかに加えて、加盟金、ロイヤリティーなどの諸条件が、採算に合うものかどうかの検討が必要です。
ゴーストレストランのFCを選定する際は、少なくとも、
魅力的なメニューを揃えているかどうか
という点に加えて、
ウーバーイーツ等からの注文に関するノウハウがしっかりしているか
も重要なポイントになります。
2毛作のお店の事例
洋食と、居酒屋の2毛作
昼は、洋食の「のれん」を出して、洋食のランチをメインに、
夜は、博多かわ串、高知餃子の「のれん」を出して、居酒屋業態
のお店です。
博多かわ串・高知餃子 酒場フタマタ 大崎店 (東京)
店舗の紹介記事は、こちら ▼
中華そばとやきとりの2毛作
店舗のファサードの大きな看板が、「デジタルサイネージ」看板になっていて、昼と夜で店名も違和感なく変更されてます。
店舗の紹介記事はこちら▼
博多やきとり 筑前屋 東陽町店
中華そば 満鶏軒
さいごに
株式会社スパイスワークスHDという会社が、2毛作向けのフランチャイズをプロジェクト的に行っているようです。
下記に自社の店舗で実験店を運営してるという内容の記事が掲載されています。
九州産のカンパチを使ったメニューのお店です。
居酒屋など、夜主体のお店をされている場合、こういった展開も可能性があります。
プレスリリース
以上、「2毛作というユニークな形」リスクをおさえたビジネスモデル!についてでした。